M19リミテッド調整録&GP千葉2018参加レポート
こちらではお久しぶりです。色々書きたいネタはあったものの、私生活で労働の時間が増えたり車の免許を取ったりでなかなか纏まった時間が取れず、かなりの間ブログを放置していました。申し訳ありません。(黒歴史になったわけではないです)
さて、約9ヶ月ぶりの更新はプリパラクリスマスでもアイカツ武道館でもi☆RisツアーでもDMGP6thでもなく、先日開催されたGP千葉の調整録&参加レポートになります。
国内では約1年ぶりの個人戦リミテッドGPということで個人的に気合も入っていたため、思考の言語化の練習も兼ねて書こうと思った次第です。練習段階の話も含め非常に長い内容になりますが、よろしくお願いします。
0.ファーストインプレッション
今回のGPのフォーマットは基本セット2019発売1週間後のリミテッド。新しいセットが発売された直後の大会全般に言えることですが、与えられた情報を早い段階から整理しておくことがアドバンテージになります。構築フォーマットのように固定化されたリストが無く、カードの組み合わせが無限に存在するリミテッドでは特にその傾向が強いと言えるでしょう。
ということで今回はフルスポイラーが出た段階で、1枚ずつカードを評価し環境を予想する作業を取り入れました。
一通りのコンバットトリックを頭に入れつつ考えたこの時点での印象は、
- 白や赤のコモンに攻撃的なカードが多く、序盤から攻めるアグロ戦略が強そう
- コモンに2色土地やマナリスといったサポートがあるので多色化は比較的簡単そう
- 一部のレアに一枚でゲームを決めるレベルのボムが存在するので、普段はサイドからなディッチャや飛行除去などをメインから入れても良さそう
- 白黒のライフゲイン、赤黒のサクリファイスなど色ごとのシナジーはそこそこあるものの、基本的には単体のカードの強さを優先した方が良さそう
といった感じでした。
1.環境理解(シールド編)
フルスポイラーで環境をある程度予想した後は、実戦で答え合わせ。発売1週間前にシールドをプレイすることができるプレリリースイベントに参加しました。普段は1回出れば良い方なプレリですが、GP前ということもあり合計で3回ほど参戦。結果は2-1×2、1-2とあまり良いとは言えないものでしたが、学びは多かったです。
まず、環境の速度が想像より2段階ほど遅い。2マナ域にそこそこ優秀な殴り手はいるものの、それ以上にタフネスが高い生物が多く、地上はすぐに膠着してしまい、消耗戦の末にシステムか飛行が残った方が勝つ基本セットらしい環境という印象。
また、多色化は簡単そうと思っていたものの色の合う土地がプールにないことも多く、無理なタッチをした結果キャストできない札を抱え続け負けることも多かった。
しかし、ディッチャや飛行除去をメインから入れる戦略は正解。ディッチャはオーラ除去や装備品、飛行除去は赤のコモンにドラゴンがいることもあり完全に腐ることはほぼなく、どちらもプールにあれば1枚ずつはメインに採用していいと思えるほど。
そして色ごとのシナジーに関してもマルチカラーのアンコモンがある時だけ意識する程度で、基本的には単体のカード性能で色を選んだ方が間違いは無さそうでした。
想像していた環境と現実の環境にズレを感じたため、後はそれをひたすら矯正していく作業。ちょうどプレリと同タイミングでMagicOnlineの先行リリースがあったので時間が余ればひたすらシールドリーグに潜っていました。自分のように特定のコミュニティに所属せず、仕事柄日中に時間を取りづらいプレイヤーにとって、MOは必須ツールと言えます。
PTQPやMOPTQ含め、15回ほどシールドをやって色の評価や、ある程度の方針は見えてきました。
まず色ごとの雑感。
- 赤→癖のあるカードが多く、地上が止まりやすい環境の性質と相まって、生物(具体的には威迫やトランプルなどの回避能力持ち)やレアが揃っていないと優先度は低い。火力だけタッチしたり、サイド後先手のアグロプランではよく使う。
- 緑→生物のサイズが他より一回り大きく、コモンの6マナ6/6トランプルですらフィニッシャーになりえる。地上で攻めるなら緑。楽園の贈り物(土地に貼るオーラ)が複数あれば多色化も検討する。
- 白→ペガサスや4/3/3鹿、5/3/3天使が存在するため基本的には先手を取って殴るビートダウンカラー。前述のクリーチャー陣がどれだけ揃っているかが選択基準。
- 青→ドロー、カウンター、飛行、最低限の除去がコモンに揃っていて殴って良しコントロールして良しの万能カラー。
- 黒→青と同じく確定除去やハンデスでボムに対抗しやすく使い勝手が良いが、アーキタイプを選ぶカードもそこそこある印象。サブカラーとして使うことが多い。
シールド的には青と黒が手軽にアドバンテージを取れ相手のボムにも対処しやすいということで組み合わせやすく、次点で生物の質が良い緑をやりたいなというくらい。
そして構築する際のポイントは主にこの3点。
- 2/1の地上クリーチャーをデッキに入れない
- 安定性のため基本的に2色+αで纏め、無理なタッチはしない
- 除去より生物の質で色を決める
一つずつ解説していきます。
>2/1の地上クリーチャーをデッキに入れない
各色のコモンの2マナ域に1/3の壁、もしくは1/1で追加効果を持つ生物が存在するため地上のタフネス1、特に2/1というサイズは3t目から既に殴れなくなることもしばしば。
黒にcip1点のガイコツがいることもあり、できる限りサイドに落としておく方が無難と言えます。(ただし白のペガサスが複数いる場合など例外もあります)
>安定性のため基本的に2色+αで纏め、無理なタッチはしない
当初は色足し得の多色環境かとさえ思っていたのですが、全体的にカードパワーが低い(事故を取り返せるカードが少ない)ため色事故や2色土地のタップインで1tパスする動きは致命傷になり得ます。
また、強力な効果を持ったカードはだいたいダブルシンボル以上なため2色でも頻繁に色事故が起こるなとも感じました。中途半端なカードをタッチするよりは構築段階から事故を減らすことを心がけた方が良いでしょう。
>除去より生物の質で色を決める
そもそも環境の除去が全体的に重くて弱いため、除去だけが豊富なデッキを組んでも大体勝ちきれません。
一方的に殴れるサイズや回避能力を持った生物が揃っている色をメインカラーに選び、除去は最低限で軽いコンバットトリックを優先した方が良いイメージです。
この他にも先手後手どちらを選ぶかや、サイドの色変えなども書こうと思いましたが、この環境に限った話でもないため割愛します。
2.環境理解(ドラフト編)
本戦1日目のフォーマットはシールドですが、2日目はドラフト。上位入賞を目指す上で避けては通れない道なので、並行してドラフトもMO上でプレイしていました。
ゲームスピードが遅めで後手を選ぶことも肯定されるシールドとは全く違い、お互い2マナから生物を展開しダメージレースを仕掛け合うかなりの高速環境という印象で、スポイラーを見た時点での予想はある意味正解だったのかもしれません。最初はシールドとのゲーム感の違いに慣れるのに時間がかかりました。
10回ほどプレイした結果、3-0はそこそこできるものの同宅のプレイヤーと当たることがないMOリーグ特有の再現性の低いデッキも多く、不安を抱えたままの状態。
カットがないリーグじゃなきゃ絶対組めないレア満載赤黒!
しかし、その中でも失敗ピックかと思っていたのに3-0できた赤白と赤青という色の組み合わせには可能性を感じました。
安くて強い赤白!
噛み合いまくって奇跡的に3-0した赤青!
赤のアグロ向けクリーチャーをペガサスや鹿、全体強化などでバックアップする赤白と、青の飛行クリーチャーを軽い除去やカウンターでサポートする赤青。どちらもコンセプトがしっかりしていてコモン以下のカードで組めるため、ある程度の色被りも許容でき再現性が高いアーキタイプという好印象。
特に赤青はスペルシナジーで固めてコントロール気味にして良し、青のアーティファクトシナジーで固めて良しと、どう転んでもそこそこのデッキになる裏目が少ないアーキタイプというイメージ。
反面、緑絡みのミッドレンジは数回試したもののイマイチ勝ちきれず。
シールドでは頼りになるファッティな6/6トランプルもドラフトでは重く、優先度がかなり下がりそう。マナサポートが大量に取れた場合の緑多色や白緑のオーラアグロは可能性がありそうでしたが、あまり完成形が想像できないまま練習は終了。
この時点では赤、青、白のうちどれかをやりたいなあと思いつつ、いよいよ千葉に向かいます。
3.GP1日目
木曜の労働終了後、すぐさま夜行バスで東京へ。いつもGP遠征などでお世話になっているナダルさんと合流し、幕張まで向かいます。
朝9時ごろに幕張着。一足先に会場に来ていたnonさん(今回GP初参加)とも合流し開場までダラダラ。
今回朝イチに会場に来た理由は、ラストチャンストライアルに出るため。
本戦と同じ流れでデッキ登録をし、シングルエリミネーションで4勝すると2byeが獲得できるので練習にはもってこいのトーナメント。期待に胸を膨らませながら参加したのですが…結果は一没。
悠長な再構築が入った綺麗な青白に土地事故もあり完敗。デッキ登録の際に対面の人がボーラス+アジャニと引いてたこともありいきなりテンションダウン。
モチベーションを保つためにすぐさま12時からの部も参加しましたが、こちらも2没。
1戦目でまたも悠長な再構築に加えテゼレットや弱者の師まで入ったバケモンデッキにギリギリ勝利できたところまでは良かったのですが、続く白黒ミラーでお互い0/3のドレイン君と2/4のライフゲインするたび飛行トークンが出るマルチが並ぶ長いゲームの末に相手が先に5マナ天使を引き盤面が崩壊し負け。
1戦目でかなり時間を使ってしまったのもあるのですが、サイド後のゲームもかなり雑になってしまい見事に咎められてしまいました。
この時点で軽いティルト状態に陥ってるなと感じたので今日のMTGは終了。
なお朝イチの部に参加したナダルさんは除去、カウンター、フィニッシャーが揃った理想的な青黒コントロールで4-0して2bye獲得。流石。(1週間前は均等ド3色に何のシナジーもない1/1/2飛行入れてた人が成長したなあ…)
ちなみに今回のホテル。会場から5分かからない距離でサービスもしっかりしてて最高でした。明日も早い&バスであまり寝られなかったので11時ごろにはもう就寝。
4.GP2日目(本戦)
いよいよ待ちに待った本戦。PWやエルダードラゴンなんて贅沢言わないからコモンアンコモンが強いプール引かせてくれ〜と願いながら席に着きます。
今回から、以前までの対面のプレイヤーとプールを交換してリストを登録するシステムではなく、予め運営が登録しておいたリストから構築するシステムになっていてびっくり。これも主催がチャネルに変わった影響でしょうか。
というわけで組んだデッキはこちら。プール全体の写真は撮り忘れましたすみません…(土地構成は島9沼8)
最初に骨ドラゴンとレア装備を見た時はテンションが上がったものの、よく見ると確定除去もカウンターもなく長いゲームはできなさそうな微妙プールから一番中途半端な青黒を組んでしまいました…。
赤青黒の3色が同じくらいの強さでメインデッキを赤青、青黒、赤黒のどれにするかで悩んでしまいデッキ登録がギリギリになった結果、不要なカードが入りまくっています。
ゾンビが殆どいないのにロードを入れてたり黒のダブルシンボルが大量にあるのに沼9じゃない明確な構築ミスはさておき、壁と4/2威迫が共存してたり冷静に無茶苦茶。
土地は5枚あるものの黒黒が一生出ず負けたり、そもそもレア装備を4マッチ通して一回も引かない不運も重なり、1-3ドロップという結果に…。
ドロップした後ナダルさんにプールを見てもらうと、実は青でも赤でもなく黒緑が生物の質的に一番マシだったという結論になり後悔。
この後時間が余ったのでアンリミ予選に出るも、プールはそこそこ強かったけど色々下手過ぎて2-2(雑な感想)(1回はbye)
同行した二人も初日落ちで養分。明日のPTQに全てを賭けるつもりで就寝。
5.GP3日目(PTQ)
日曜のGPは本戦と並行して様々なサイドイベントが行われていますがこのPTQは一回でも負ければほぼ予選抜けの目がなくなるという厳しい条件はあるものの、誰でも参加できて優勝すれば一発でプロツアーの権利を獲得できる非常に分かりやすいトーナメント。ある意味プロツアーへの一番の近道と言えるイベントです。
デッキ登録開始は朝8時からというハードスケジュール。本戦落ちをケアしてしっかり事前予約していた僕は眠い目をこすりながら会場に向かいます。
席に着きパック開封。2日間で下振れまくってるから流石にPWくらい引けるやろ〜とレアを見るとそこには…
アンプレの山!
1/4と風景の変容は論外だしゾンビも白のカードもほぼないプールなのでロードもラスも使えず、実質レア2枚。悲しい。
またも時間ギリギリまで構築に悩み、組んだデッキがこちら。
生物がマシだった2色からかき集めたクソビートといった感じで、まあ予選抜けは無理だろうな…というデッキ。赤のシンボルが濃いのでギガントサウルスは流石に使えず。
初戦からいきなり土地1ストップ×2で負ける不運もあり、結果は2-4。賞品も貰えず虚無(^_^)
終わった後プールを見直すと、カウンターや飛行クリーチャーが数枚ある青の方が相手のボムに対処できてまだ数勝はできたかなという感想。
その後暇になってしまったので8人ドラフトに出るも一瞬で一没。本当に何をやってもダメな3日間でした…。
夜行バスの時間までアンリミロチェスターや決勝ドラフトを観戦したり、サイン会に並んだりして今回のGPは終了。
6.今回の反省点
3日間通してここまで負け散らかしたのは流石に初めての経験。そこで、自分なりに考えた反省点はこの2点です。
・MOとリアルの違いに慣れていなさすぎた。
色ごとのクリーチャーの枚数などがソートできるMOとは違い、リアルでは同じ作業を自分の手で行わなければいけません。(当たり前ですが)
練習時間をほぼMOに費やしていた僕はその作業に慣れていなかったせいで毎回構築時間がギリギリになってしまい、結果として一枚一枚のカードやメインカラーの選択を間違えてしまうことが多かったです。
また、MOでは余計な情報が入ってこないため盤面の情報が整理しやすいのですが、リアルでは相手の表情や仕草なども判断材料になる場合があります。
自分はその辺りの勝負勘が弱く、普段なら絶対にしないようなコンバットをしてしまい、冷静にプレイできていれば勝てていただろう試合に競り負けてしまうこともしばしば。
大会自体が少ない田舎に住んでいるため仕方ないことではあるのですが(練習環境を変えることも検討しています)、もっとリアルでのプレイに慣れておかないとダメだなと感じました。
・シールドのメタの変化についていけていなかった。
MO上でドラフトが導入されて以降、これまで多かったアドバンテージ重視の低速デッキと当たることが減り、代わりに序盤から殴るビートダウンデッキが増えていると感じていました。
これはドラフトを経験したことでビートダウンの完成形を知り、それをシールドでも試そうと考えるプレイヤーが増えたからだと思います。
今回の敗因はその環境の変化についていけなかったこと。
M19環境は攻めるカードが弱く受ける側が有利な環境だと思っていましたが、実際は逆。受ける側のカードも同様に弱いため、攻める側が装備品やコンバットトリックなどの一工夫を加えれば簡単に受けが崩壊してしまいます。
遅いデッキが増えれば速いデッキが強くなる。リミテッドにもメタは存在するということを改めて認識しました。
7.終わりに
というわけで見るも無惨な結果に終わってしまったGP千葉でしたが、逆に今後を考えるいい機会になったと自分に言い聞かせ、今回のレポートは終了したいと思います。
次の大型大会の予定は10月に行われるGP名古屋。成り行きで今回同行した2人とチームを組むことになったので今度こそは初日抜けを目標に頑張りたいですね。負けまくってもなんだかんだGPは楽しい!
それではまた次回のGPで。(ブログを書くかは分かりません!)